お食事屋さん

aron2005-07-03

 家の近くにめちゃ素敵なお食事屋さん発見。NHKの朝の連続ドラマ小説にでてきそうな感じ。がらがらと引き戸をあけると、40歳代の男性がスポーツ新聞を読んでる。仲のよさげなカップルは、ひとつのメニューをシェアしながら、どれを注文しようかと笑いあっている。左奥はお座敷。ちょっとした宴会ができそうな感じ。手前の椅子に腰を下ろすと、50才近いと思われる女性の店員さんがさっと近づいてきて、お絞りと麦茶を置いてくれた。あれこれひとなつっこそうに話しかけてこないのが、またよかった。


なんだか湿度が高い日だったけど、太陽はさほどぎらぎらしていなかったから、あったかいものが欲しくなった。5分くらい迷って。鍋焼きうどんにしたよ。780円。


料理が出てくるまで本を読んでいた。山崎豊子の「女系家族」ってのを最近買って、読み始めたばかり。代々女系で継がれている大阪の老舗木綿問屋の遺産相続をめぐる話。冒頭は少し暗い一家の主のお葬式から始まる。その年代へタイムスリップしたら、こんな店に来ていたという気分だった。


10分くらい待ってうどんが出てきた。添えてある蓮華にはペーパーナプキンが巻いてあった。土鍋のふたをあけると、味噌としいたけの匂いが香ばしい。うどんは耳たぶくらいの硬さ。ちょうどいい。かまぼこもねぎも味噌色をしてた。おいしい♪最近洋食が多くて、前の日は昼はチキンソテー、夜はパスタとピッツァだったから、余計新鮮な感じだった。


食べ終わって、席を立つと、店主と思われる50歳代の男性がでてきてお会計をしてくれた。店の外がすこし暗くなってたのが気になって、「雨降るでしょうか?」と声をかけてみた。「どうでしょうかね。降るでしょうかねえ。今日はこんな感じみたいですね。」と答える。さらに、「雨になるんでしょうかね。」とつっこむと、ふいに奥の厨房までもどっていってしまった。適当に答えては申し訳ないと思ったらしく、さっきお絞りを出してくれた女性に「なあ、今日の新聞、天気予報、なんて書いてあったかなあ」と聞いている。戻ってくると「今日一日は曇り空みたいです」と教えてくれた。なんていい人なんでしょう。「わざわざすみませんでした。ごちそうさまでした。」軽くお辞儀をしてお店を出た。


心地よい昼食でした。