偶然の出会い
去年の誕生日プレゼントに、女友達から、絵本をもらった。台湾の絵本作家 ジミーという人の『君のいる場所』という作品。始まりはこんな感じ。
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彼には右に行く癖があり、彼女には左に行く癖がある。
同じアパートの隣どおしに住みながら、二人はめぐりあうこともなかった...。
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あたたかいイラストとちょっぴり切なげなストーリー。すごく気に入って、大切にしまっていたのだけれど。実はその絵本は映画化されていて、最近、台湾から留学中の知り合いから、「この映画、すごくいい!」と映画の方を勧められた。タイトルは『ターンレフト・ターンライト』(向左走・向右走)。
ということで、先週末、DVDを借りて見てみた。すごく魅力にあふれる作品だった。
まず気に入ったのは、雇われ翻訳家役のジジ・リョンと、無名のバイオリニスト役金城武の、ファッション。特にジジ・リョンが寒い冬に着ている、渋いパープルのコートとカラフルなマフラーがかわいい。斜めがけのバックも使いやすそうで、おしゃれ。彼女の住むアパートのインテリアもいい。パッチワークのベッドカバーに、タイル張りのキッチン。綺麗な色のシャワールームにエメラルドグリーンのうがいコップ。私の住みたいお部屋はこんな感じ!それから、舞台は台湾という設定もいい。公園や駅、ショッピングモール...。長い歴史を刻む中国大陸の重さはほとんど感じなくって、現代的でおしゃれな印象。いいな。
でもね、いちばんやられるのは、作品の中でモチーフとして引用されているヴィスワヴァ・シンボルスカ(ポーランドの詩人でノーベル文学賞までとってるの)という人の「一目惚れ」という詩。
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二人は信じている
求める気持ちが出会わせたのだと
信じあう心は美しい
でも揺れ動く心はもっと美しい
知り合うまでは
何もなかったように思えるが
通りや階段や廊下で
気づかぬうちに
二人はすれ違っていたのかも知れない
その頃の「偶然」はまだ
「運命」ではなかった
「偶然」は二人を
近づけたり
遠ざけたり
人生は偶然だらけ
平行線もいつか交わる
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なんて美しいんでしょ。
そしてね、今日家に戻って、もう一度絵本を取り出して、
友人が絵本に書き添えてくれてたメッセージを、改めて読み返した。
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いつも元気をくれてありがとう!
この本に出会ったのは
あなたの元に届けるためだったと思います
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胸がきゅんとなったよ。
★ジミーさんはこんな人。←彼のホームページに飛ぶよ。
台湾に一大絵本ブームを起こした人なんだって。
絵本とインテリアと台湾と。またまた私の好きなもの、気になるものたちのシンクロニシティ。
なんだか台湾が呼んでいる気がした。絶対行っちゃおう。それでジミーさんにも会おう。
と思いました。