くせっ毛

私の前髪の右側はくせっ毛でくるっとしてる。
美容室に行くと、美容師さんがいつもブローに苦戦する箇所でもある。
「ひっぱるようにブローしてあげれば綺麗になりますよ」苦労の末に体得したアドバイスを、私はくせっ毛はくせっ毛のままでいいとも思って聞いている。


くせっ毛は父方の祖母の遺伝。私の血の中に1/4だけ入ってる、日本人の証拠みたいなもの。鏡の中のくせっ毛の自分を眺める時間は、私の中の日本人を確認する時間でもあるのだ。


迷惑だけど愛おしいストパーをかけるのが少しばかり躊躇われる、中途半端なくせっ毛ちゃん。心の中でつぶやきながら、私は今日もドライヤーと格闘する。