一人の人をずっと。

初恋のきた道 [DVD]

SAYURIを見る前にチャン・ツィイーを知りたくて、『初恋のきた道』を見た。素晴らしかった。

父の死を知った青年が、父と母のなれそめを追想していく物語。
少女だった母(チャン・ツィー)は、村に教師としてやってきた父に一目ぼれ。来る日も来る日もお弁当を作って運んだり、父が通りそうな道で待ち伏せしたり。でも心が通じたと思ったら、文革の影響で離れ離れになってしまい....。

ストーリーは単純だけど、エピソードの一つ一つの見せ方が丁寧で、美しい。
黄色の鮮やかな木々に映える赤い服、心地よい朗読の声、届けられなかった水餃子、小さい赤い髪留めのプレゼント、笑顔で別れるための優しいうそ、割れた陶器の修復、葬儀を手伝いに集まってくる教え子たち。父と母のために息子が1時間だけ開いた国語の授業など。
健気な少女だった母と、村の伝統的なやり方で葬儀を進めようとかたくなな母の姿が重なったとき、感動は最高潮に達する。

40年の長い間、お互いにお互いが大好きで、死んでも離れるのを嫌がるくらい、一人の人をずっと愛するって素敵だ。