捨てられない思い

aron2005-12-12

何年ぶりかな。スケッチブックに向かって色鉛筆を持つの。ずっとずっと、ほったらかしていた思い。私は、やっぱり、表現することをやめられない。抑えても抑えても、溢れ出してきてしまうんだ。鉛筆一つ持てば、どんなに忙しくても、疲れていても、どうでもよくなってしまう。自分の目の前に美しいものを作り出したい。その一心で私は真っ白なスケッチブックに向かう。早く、早く、逸る思いそのままに手を動かし、もくもくと思いを形にしていく。やがて、ぼんやりと浮かび上がる新たな作品の誕生を確認すると、私の胸の高鳴りは少しばかりおさまる。よかった、無事に出会えたと安堵の気持ちに変化する。


昨日、文房具屋でスケッチブックを買い、本屋で中原淳一のイラスト集を買った。たまたま立ち寄った店で、何となく、彼らが私に頼んだのだ。自分たちを使ってくれと。彼らの訴えを聞き、絵を描きあげた後、改めて納得した。私の心はとても落ち着いている。自分の気持ちに素直に従うって、なんて気持ちの良いことだろう。私にとっては明日、会社がなくなったと聞かされるより、もう絵を描くことができなくなったと聞かされることの方が数倍恐ろしく、辛いことであるに違いない。


神様、私はずっと、これからも何かを表現し続けたい。この思い、捨てないでいいですか?しまっておかないで、いいですか?