クリスマスを買いに(3)
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ろうそくに明かりを灯し、電気を消して、仄かな光の中で、ルルとママはシュークリームとノエルのケーキとビスケットを食べた。
「おいしそう」ルルの目が輝いた。
「ありがとう」ママもにっこりした。
「おいしいね」クリームをほっぺにたくさんくっつけながら、ルルは言った。
「そうね、ありがとう」ルルのほっぺをタオルでぬぐってあげながら、ママは答えた。
「おいしかったー」お皿の中はヒイラギの葉を残してすっかりきれいになった。
「うん。おなかいっぱいねえ。ありがとう」ママはルルをきゅっと抱きしめた。
ママは時計を気にせずに、お皿をちゃちゃっとかたづけるとお風呂とお布団の用意をした。
そして、「ルル、今日はこのままろうそくの火でお風呂に入りましょう」と
ルルを誘った。
その夜、お風呂の中で、ろうそくの明かりに照らされながら
ルルは初めてママの歌声を聞いた。
透明で、空の遠くから天使が降りてくるようなやさしい声だった。
クリスマスの夜に
星に願いを伝えましょう
とびきり素敵な夜になるように
クリスマスの夜に
キャンドルに火をともしましょう
天使の道案内となるように
クリスマスの夜に
天使はみんなの星を集めにくるの
空を見上げてみてごらん
ほら天使の羽がふわりふわりと落ちてくる
お風呂からあがると、ルルとママは一緒にお布団に入った。
枕元にきらきらしているツリーを持ってきて、一緒に眺めた。
「もう一度、天使のお歌を歌って」
ルルは何度も何度も天使の歌をリクエストした。
「うん。もう一度ね」と言いながら、ママは何度も何度も歌ってくれた。
いつもの優しい音楽よりずっとずっときれいだと思った。
ルルの目がすっかりとろんとなったころ、
ママはルルにそっとささやいた。
「ルル、ありがとうね。」
そして天使の声をしたママは、眠っているルルの枕元に小さなプレゼント置いた。
それは真っ赤なミトンの手袋。
ルルがはぁってしなくてもいいように、ママがそっと用意しておいたものだった。
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次の日、ルルはどんな朝を迎えるかしら。
そのお話はまた別の機会に。クリスマスのお買い物、みんなも楽しんでみてね。
Merry Christmas--★
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