読み出した途端に、胸が、高鳴る本

81-1 

かなり、久しぶりだ。本を開け、ぱらぱらとページをめくっていくうちに、ぐいぐいと引き込まれ、本の世界と自分の経験世界が一体化し、自分の分身、もしくは兄弟を見つけた感覚に囚われるのは。この本を書いた、夏木マリさんという女性を、私は実は、まだ、よく知らない。けれど、表現の仕方のひとつひとつ、表現されている人、もの、空間のひとつひとつが、魅力的で、新鮮で、共感できるのだ。


1.今、愛しているひとがいる。
2.ドキドキするほどのコンプレックスを持っている。
3.自分のことで泣いたりしない。
5.季節の移り変わりに感動するようになった。
6.自転車に乗れる。
9.自分はいまだに未熟だと承知している。
11.朝型人間になった。
12.人生で今が一番楽しいと思える。
16.時々、めちゃくちゃ自信がなくなる。
17.ニュースを観て、犯罪者の気持ちも解る時がある。
23.人を幸せにしていると思う。
24.占いは好きである。
25.自分がいくつだか解らない時がある。
29.お誕生日とかお祝いゴトが好きである。
32.実はタバコが吸えない。
42.悪い男に過去3回引っかかった。
45.今、あまりほしいものはない。
46.いい人ではなく、素敵な人と言われたい。
47.よく転んでしまう。
48.大雑把な性格だが、振込みはきちっとしている。
49.他人と比較はしない。
51.30年かかって自分の声が好きになれた。

という、夏木マリさんが、世の男性たちに、こんな人になってほしいというリクエストを記したエッセイ。でも、女性が読んでも、十二分に面白い!音読しても、気持ちよかった。これちょっと、どこかの舞台で、読ませてくれないかしら。お呼ばれしなかったら、週末井の頭公園あたりで勝手に朗読会開こう。


女性も時々ヒールをはかないとダメ。いつもぺったんこの靴だと、気持ちもぺったんこになる。


ベジャールの映画を見た時に、一ついい科白があった。「考えていても踊れないよ」そう、とにかく一歩踏み出すのだ。


自分を不安定な状態に置いておく。つねに浮遊していたいから、落ち着きそうになると、あえて危険を冒す方向に動いている。


好きなモノがたくさんあって、好奇心が旺盛で、そしてそれを言葉にできるというのは素敵なこと。


ね、いいでしょ。